私たちは、

日本で作ることの出来ないモノを除いて

「made in japan」にこだわって

モノ作りを行っている。

 

その関係で、わたし自身、

国内の繊維産地をよく訪れるのだが、

どこの産地も前向きな話はおろか、

産地全体の地盤沈下が進んでいるという

暗い話ばかり耳にする。

 

そして、

色んな工場の経営者と話すうちに

気付いたことが一つある。

 

「そもそも、なぜ御社はそれを作るのですか?」

という問いかけに対して、

一様にみんな首を傾けるということだ。

 

多くの答えとして、

「…. 親から引き継いだ稼業だから」

「…. その設備があるから」

「…. 産地だから」などと返ってくる。

 

大体の場合、いまの工場経営者たちは親から受け継いだ

世襲の2代目、3代目が多い。

 

そして、

低迷のスパイラルに入ってしまう大きな原因として、

従来の得意先から価格訴求を強いられ、

納得しないクオリティでも工場を回すために、

渋々そのような仕事を受けている現状があるようだ。

 

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同じモノ作りでも、

テレビなどで特集される

酒蔵のケースを考えてみた。

 

彼らは、自分たちの作る酒に対して

プライドと自信を持っており、

「少しでも良いものを作りたい」

という欲求に溢れている。

 

間違えても、得意先の要求に合わせて、

安価で不味いものを作ったりはしない。

 

何故、こうも違うのか?

繊維産地と同じく、酒蔵も世襲がほとんどだと言う。

前者にはない〝作る理由〟が後者にはハッキリある。

 

その差は、

ブランドにあるのではないかと思う。

 

酒蔵には、

自分たちの作る酒に必ず銘柄がついており、

それ自体がブランドになっている。

その精神が世襲であっても受け継がれており、

時代の変化にも芯を変えずに対応する。

彼らの〝作る理由〟は、そこに込められている。

 

これからの時代、

私たちが付き合っている繊維産地にも

必要不可欠な要素だと思う。

 

理由もなく、ただ言われたモノを作っていて

安い以外の価値が誰に響くのだろうか?

「なんとなく、、、」の連鎖は危険である。

 

BasShuとして、ここ数年、推し進めている

仕入先としての〝工場ブランディング〟が、

少しでも、こうした現状に風穴をあけるきっかけに

なってくれればと思う次第である。

 

posted by K. Ichikawa