こんな生地にしたいなという
イメージは頭にあるのに、
なかなか思い通りにいかないのが織り物。
印刷物のように、
パソコンで見ているデザインが
そのまま上がってくることは、まずありません。
生地は、いわば3D。
同じ青色をヨコ糸に打っても、
タテ糸がベージュか、白かで
青色の見え方がガラッと変わってきます。
青は青でも、
黄味の強い青なのか、赤味の強い青なのか。
また、チェックの細い線を、
糸2本で表現するか、糸1本で表現するかによっても、
全然仕上がりが違うんです。
生地をつくることは、
柄・風合いともに、3Dの仕上がりを
頭で描きながら進める作業の連続で、
ディティールを詰めれば詰めるほど、
最初に描いていたものが、所詮イメージに過ぎないということを突きつけられます。
そんな難しさを
製作過程で嫌というほど感じた
このOLD FLANNEL シリーズ。
とにかく、沢山の色が織り交ざった多色でチェックを表現したくて、
縦糸7色 ✕ 緯糸5色ですよ、、、
想像力の限界に挑戦、みたいな企画でした(笑)
そして、
納得行くまで何度もやり直しして、
完成した生地、
1940年代、ブルーワーカー達に親しまれた無骨なフランネル3柄。
col. check DARK BROWN(ダークブラウン)
col. check BROWN(ブラウン)
col. check CREAM(クリーム)
洗練されすぎてない、野暮ったさを残した配色と、
太い綿糸を使った凹凸のある風合いが、
あたたかく、懐かしい表情になっています。
今回、100点と言ってしまうと、
伸びしろがないので、90点くらいですかね。
(これは、歴代かなり高得点)
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織り物って、本当に奥が深くて、
やればやるほど、
自分に足りない部分がみえてきます。
ただ、焦っても、その答えは
経験の積み重ねしかないんですけど。
なんで出来ないんだろう?
また失敗するかも?
とか、
思考停止してる暇があったら、
目の前のことに全力を尽くす。
仕事と向き合う、ってそういうことだと思うんです。
posted by A. Imoto